コラム
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「自分史」の個人情報をどう扱うか
「自分史」は、個人情報の塊です。
「自分史」は自分の情報の集合体ですから、見方によってはデリケートな問題も出てきます。個人情報の扱いについて過敏な風潮があるだけに、「自分史を残したいのだけれど個人情報の漏洩が怖くて書くのを躊躇っている」という人もいるかもしれません。
確かに自分史を書き、自分のプライベート情報がゆがんだ形で世間に広まったとしたら、なんとも言えない不安に襲われるでしょう。では、どうすればそれを払拭できるか。以下の2つを踏まえれば、個人情報漏洩のリスクはかなり軽減できます。
❶ 3~10冊程度の少部数にする
製本する部数を減らして家族や友人といった身内の人だけが閲覧できるようにすれば、不特定多数の誰かの手にわたり、かつそれが何らかの形で悪用されるという可能性は、ほぼないと言えそうです。自分史を書いて製本している方の多くは、このパターンに該当するので、実は個人情報の流出はさほど怖れることはないと思います。
❷ 住所や電話番号、誕生日、メールアドレスなどの詳細情報は載せない
個人情報の流出で何が怖いのか。「個人情報を使って本人になりすまされる」ことですよね。特にクレジットカードなど金融関連の情報であれば、大きな損出を招く危険性もあります。身に覚えのない金額の支払いを請求されるといった詐欺などもリアル、ネットを問わず横行していますが、そもそも個人情報を載せなければその危険は回避できます。
個人情報の流出することで、実際にはその情報をもとに営業や勧誘されるケースがほとんどだと思いますが、これも単に断ればいい話なので大した脅威ではありません。
大切なのは、どの個人情報が洩れるとまずいのか、あるいはそうではないのかを、しっかり把握しておくことだと思います。
ちなみに個人情報はどのように流出するか。専門機関の調査によると、個人情報漏洩の約44%が役所や警察などの行政機関からだそうです。個人情報を届け出なければ受けられないサービスがたくさんある社会において、避けられないリスクもありますが、まずはこうした事実とその対策方法を知っておく必要がありそうです。
個人情報を守るための情報として、下記のサイトがお勧めです。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO08370100U6A011C1000000/
いずれにせよ、闇雲に個人情報の漏洩を恐れるがあまり自分史制作を敬遠している人がいたとしたら、とても残念に思います。個人情報は公的機関からも漏れてしまうことがくらい、保護するのは難しいもの。とはいえ実際に流出したとしても、個人情報を悪用しづらい社会にもなってきているのもまた事実です。
「自分史」は個人情報の塊ですが、不特定多数に知られても特に差し支えない情報もたくさんあります。最も怖いのは、クレジットカードの情報を盗まれて金銭的に被害に遭うことです。ということは実質、自分史制作においては個人情報の流出はほとんど気にすることはないというのが結論です。個人情報の取捨選択をしたうえで、自分史制作に臨んでいただけたら幸いです。