コラム
COLUMN
書き方
「自分史」に、最初に就職した会社のことを書く
なぜ、その会社に就職したのですか。リタイアされているのであれば、なぜその会社で働いていたのでしょうか。
興味のあった業界、分野だったというのは大前提としてあると思いますが、本当に自分が入りたかった企業に就職できた人の割合は約1割。残りの大部分の人は、自らの意志と反した会社に就職したことになります。もちろん就職後に入社してよかった、入社して後悔したという感情が生まれるわけですが、なかには周りに流されるままなんとなく就活をして、なんとなく働き始めたという人もいると思います。
そもそも、学生の頃から「絶対にこの職業に就きたい」と考えている人のほうが少数派です。学校では「社会とはこういうものだ」という教育は一切しないため、学生はなんとなくのイメージで就職するしかないのですが、その弊害として「思っていたとの違う」と感じたことのあるサラリーマンは圧倒的に多いそうです。
それは、以下の統計結果からも分かります。人材関連企業のデータによると、「いまの自分が置かれている環境を入社前に知っていたら、いまの会社に入社しましたか?」という問いに対し、「はい」と答えた人はわずか23%。さらに「いまの会社は自分と同じ価値観を持っていますか?」という問いに対し、「はい」と答えたひとは19%にすぎなかったそうです。
このミスマッチを防ぐには、もっと学生に対して社会というものがなんであるかを積極的に教えるべきだと思うのですが、それをしないのは、社会全体が「学生には社会を教えないほうが好都合」だと考えているからです。要するに「何も知らないまっさらな学生を雇用して、愛社精神を植え付けることが企業発展につながる」と考えている企業が多いということでもあります。
これがいいか悪いかは別として、こうした風潮がある以上、若い人が自主的に物事を考えて動くというのは、特に大手や旧体質の企業では非常に難しい状況にあると言えそうです。
もしかするとこの姿勢が、かつては隆盛を誇った日本企業が世界に後れを取りつつある要因になっているのかもしれません。
ともあれ、なぜその職場を選んだか覚えていますか。
・その職業、その会社を選んだ理由
・他に志望していた業界
・入社前と入社後のギャップ
・仕事のやりがい
・仕事で嫌だと感じていたこと
・職場での人間関係
・社長の方針と自分の考えについて
やはり社会人の第一歩として、最初に勤めた会社は良くも悪くも印象に残っているもの。ぜひ最初に入った会社に勤めるなかで率直に感じたことや心境の変化を、「自分史」に記してみてください。