コラム
COLUMN
書き方
「自分史制作」は自己肯定感につながる
「自分史」は、自己肯定感を育みます。
自己肯定感とは、「自分の良いところも悪いところも含めて、自身の存在意義や価値を肯定できる感情」のことです。
「自分史」を書くにあたっては、自分の過去と否応なしに向き合う必要があります。人によっては思い出すだけでも嫌気が差すような出来事や、絶対に触れられたくない過去があります。とはいえ自分史だからといって、生まれたときからの出来事すべてを網羅しなければならないというわけでは全くありません。自分が書きたい時期やシーン、エピソードをいくつか抽出し、それを深掘すれば立派な「自分史」が完成すると思います。要するに書きたくないことはスルーすればいいということですね。
ではいったいなぜ、ある時期のことやエピソードに関して「書きたくない」という感情が湧くことがあるのでしょうか。それは単純に今の自分が、悪しき過去に対してネガティブな感情を持っているからです。まあ、これは当然のことですね。
人生山あり谷ありなどと言いますが、人間のバイオリズムのように誰しも楽しかった時期、つらかった時期という人生の波があったと思います。そのうえで過去を振り返ったとき、その時期をどうとらえるかは今の自分のさじ加減次第。
「辛かった時期を乗り越えたからこそ今の自分がある」と思えれば自己を肯定できていますし、「あの不毛な時期があったから今、不本意な状況だ」と感じているとしたら、それは自己を否定していることと同義です。
しかし人はみな今を生きているわけで、「過去に何があったか」よりも「過去をどう捉えるか」のほうがよほど大事ではないかと思います。
もし今を不本意に感じていたとしたら、あえて「自分史」を書いてみることをお勧めします。それは「嫌な自分やネガティブな感情を肯定できる大きなチャンス」かもしれないからです。
「自分史」を書くということは、自分を客観視するということでもあります。なぜ自分が現在に至っているのかを第三者視点で冷静に見つめなおし、自分の心の奥底にある率直な思いを知り、その感情に素直に従うことができれば自己肯定感は確実に増します。
そのなかで「あの辛い時期がなければ今の自分はない」と肯定的に捉えられるようになったら、多少なりとも精神的に豊かになれるはずです。仮にそう思えなかったとしても、自己を肯定するうえで自分と向き合うことは避けて通れないわけですから、やはり自分史を書いてみることの意義は大きいと思います。
ではなぜ、「自己肯定」したほうがいいのか。それは今の自分の存在を自分で認められることが、何よりの幸せではないかと思うからです。その状態になって初めて、本当の意味で「人生の充実」や「幸福感」を心から味わえるようになるのではないでしょうか。
もし自分史制作をきっかけに自己肯定できるようになったとしたら、それは本当に素晴らしいことだと思います!