コラム
COLUMN
書き方
音楽は「自分史」の目次にもある
「音楽は人生の目次である」。
これは以前、明石家さんまさんがあるトーク番組で語った言葉ですが、まさに言いえて妙だと思います。
かつてヒットしていた曲やよく聞いていた曲、よくカラオケで歌っていた曲などを改めて聞いてみると、思いのほか当時の記憶が思い出されたりするものです。音楽の力に勇気づけられた経験のある方などはなおさら、そうした傾向がありそうです。
ですから「自分史」を書くにあたって、「過去のヒットソングや思い出の曲を聴きながら」というのは、自身の過去を思い出すうえでも非常に効果的です。当時、その曲を聴いていた自分の環境や心の在り方、周りにいた人のことが蘇ってくるのではないでしょうか。
ではなぜ、人々は音楽を聴いて感情が揺さぶられるのでしょうか。実は、この理由は現代科学でも明らかになっていません。現時点では、例えばこの空間はなんとなく心地いいとか、料理を食べておいしい、といったたぐいの感覚と同じであるわけですね。
というより、そもそも「なぜ音楽は心に響くか」という問いは、「心とは何か」「心に響くものとは何か」「音楽とは何か」という複数の明らかにしなければならない問いが絡んでくるため、その解明は非常に難しく、現時点ではそのメカニズムを見いだす糸口さえ分からないそうです。そのため「音楽には理屈では説明できない力がある」という、何か釈然としない共通認識が一般的になっています。
ともあれ、音楽には理屈では説明できない素晴らしい力があります。学校の教科の一つになるくらい大切なものと国も考えていますし、音楽業界という大きな市場があるくらい、我々の生活にも根付いています。だからこそ人々の記憶にも、知らず知らずにかなりの影響を与えているのです。そんな音楽を自分史制作に活かすのは、理にかなった行為とも言えそうですね。
音楽を手掛かりに、ぜひ当時のエピソードを色々と思い出してみてください。