コラム
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書き方

2019/04/18

「自分史」は、なぜ書くのが簡単なのか

「自分史」は、なぜ書くのが簡単なのか

今回は、自分史を書くのは簡単であるというのがテーマです。

  

当たり前のことですが、文章を書くにあたってまず考えるべきは「何を書くか」です。いわゆるテーマや題材ですね。仮に何らかのメディアだったとしたら、情報にあふれかえっている昨今、何もないところからどこにも載っていないような情報やアイデアをひねり出すということは、想像以上に骨が折れる作業です。

 

その点、自分史は非常にシンプルです。すでに「自分の歴史を記す」という大枠のテーマが大前提としてあるので、考えるのはそれをどうやって書き進めるかだけ。今の自分の思考がどのように形成されてきたか、自分がどんな人生を歩んできたかということを、過去を遡りながら記していくというのが自分史を書くうえでの主な作業です。書く順番も、とりあえず幼少期のころから時間軸に沿って書いていけば、なんとなくは形になるもの。つまり「ある程度、型が決まっている」という点で自分史は書きやすいのです。

 

もちろん、だからといって、すんなり書けることの理由にはなりません。むしろ、それでもなお、どこから着手すればいいか、何をどう書いていいか分からないという人も多いのではないでしょうか。これに関しては過去記事でいくつかの方法論を示しているので、参考までにご覧いただければ幸いです。

 

自分史の書き方は無数にありますが、今回のテーマにのっとりシンプルに考えるならば、「骨組みをつくる」のが近道です。例えば建造物は、構造の基礎となる骨組みがあることで成り立っています。これと同様に、数十年に及ぶ自分史という史実を書き上げるには、それ相応の骨組みが必要です。この骨組みはいわば、自分の年表や履歴書といったところでしょうか。

 

この年表を構成する要素は主に次の3つ。

 

「社会と自分(学校・会社など)」

「プライベートの自分(友達づきあいや趣味など)」

「家族と自分(両親・妻・子供・親せきなど)」

 

です。「自分の年表=履歴書にプライベートや家族の詳細情報が加わったもの」と言えばイメージしやすいと思います。実際にこれを図や表にしてみることで、自分の人生を俯瞰できるでしょう。

 

そしてこのように題材、骨組みといった大きな枠組みで自分史をとらえてみると、どう書くべきかの道筋が見えてきます。その骨組みをもとに、いくつかの「章」に分けたり、目次を考えることもできます。

それぞれの時期の詳細を記すには多大な労力や時間がかかるかもしれませんが、ある程度の自分史の骨組みさえ決まっていれば、そこから大きく逸れておかしな内容になることはありません。

 

ともあれ、自分史の執筆に迷っているのなら、「文章を書く上で最も悩ましい『題材』がすでに定められている」ということを思い出してください。

そのうえで、自分史用に自分の年表を作ったり、自分の人生を俯瞰すると、徐々に「自分史」の全体像が見えてくるはずです。無計画に着手するのではなく、このように少しずつ外堀から埋めていくような感覚で取り組めば、自然と何を書くべきかが明確になってくるのではないでしょうか。

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