コラム
COLUMN
書き方
2019/02/06
「自分史」に欠かせない写真の力
人の脳は「連想記憶方式」が採用されています。
要するに脳は何かを思い出したとき、それに付随する記憶も同時によみがえる仕組みになっているのです。「昔の曲を聞くと往時のことが思い出される」のも、まさにこの仕組みがあるから。てその最たる例が「写真」です。
その意味で自分史を書くにあたっては、自分の記憶に頼るだけでなく、過去の写真に目を通してみることをお勧めします。もちろん昔の作文や手紙、ラブレター、年賀状なども過去を思い出すうえで貴重な資料ですが、事実が映し出されている写真には敵いません。人間の記憶も「百聞は一見に如かず」です。
実際に製本する際も、文章内に写真が挿入されればよりリアリティのある自分史になります。今は製本データをパソコンの専用ソフトで製作するのが主流ですが、デジタルの画像データではないフィルム時代の焼き写真だとしても、スキャナーを用いれば簡単にデジタル化できます。今はスマホのカメラ性能も一昔前に比べて格段に上がっているので、十分に紙面用として使えます。
さらにデジタル画像は、画像処理のソフトで加工するより鮮明にすることも可能です。ちなみに今は、無料でダウンロードできる画像処理ソフトもたくさんあります。
自分史の執筆中に写真をピックアップしておけば、製本の際もスムーズです。文章を書くのが苦手ならば、写真だけ選んでおいて、あとの部分はライターや編集者に依頼してもいいかもしれません。
「写真」は外面を映すもの。「自分史」は内面を映すもの。過去の写真から記憶をよみがえらせ、そのなかから印象的な写真を反映すれば、より作者のことが伝わる自分史になることは間違いありません。