コラム
COLUMN
自分史の豆知識
【1934年】自分史と関連付けて書きたい1934年の出来事
1934(昭和9)年に生まれた人は、今年(2022年)で88歳を迎えます。
前年に国際連盟を脱退して世界的に孤立し、東北地方の大凶作で欠食児童が増加、11月にはクーデター未遂などもあって何かと暗い話題の多かったこの頃の日本。とはいえ経済や文化面では、確実に発展を遂げていました。
まず、1月には千代田区有楽町に「東京宝塚劇場」がオープン。2月には「日比谷映画劇場」がオープンし、ニュース映画の定期上映(朝日新聞社と東宝が制作)は初の試みとして注目を浴びました。同月には愛知県の蒲郡では初の国際観光ホテルである「蒲郡ホテル」が、4月には後に重要文化財に指定される丸の内の「明治生命館」がそれぞれオープン。また、渋谷では「忠犬ハチ公」の銅像が完成しています。
大学関連では、3月に明治大学和泉キャンパス、5月に慶應義塾大学日吉キャンパスがそれぞれ開校しています。一方で軍事色の高まりのなか、10月には陸軍省が「国防の本義と其強化の提唱」を記したパンフレットを配布。軍事体制を主張するものであったため、多くの議論が巻き起こりました。軍事関連ではこの年、横須賀市に「海軍航海学校」が開校。海軍軍人が身に付けるべき各種航海術を指導する場として機能しました。
プロ野球界ではNPB(日本野球機構)傘下としては最古の球団「大日本野球倶楽部(現:読売ジャイアンツ)」が発足。プロ野球黎明期の大投手・沢村栄治など、日本代表チームの選手を中心とした19名からスタートしています。ちなみに同年、ベーブ・ルースら17名が大リーグ選抜チームとして来日しており、このチームと戦った日本人選手の多くが「大日本野球倶楽部」に所属していました。
〈1934年の新語・流行語〉
・開襟シャツ(ネクタイの代わりに襟を出すスタイルが流行。クールビズの一環)
・国防色(軍装色の一つで、青みを帯びた茶褐色。この年に陸軍省が公式発表した)
〈1934年の新製品〉
・明治クリームキャラメル(サイコロキャラメルに次ぐヒット商品。ヨーグルトキャラメルは姉妹品)
・パーマネント機(国産では初。この年から一般にもパーマが普及)
〈1934年に生まれた有名人〉
1月1日 児玉清(俳優、タレント。東京都北区出身。クイズ番組「パネルクイズ アタック25」の司会を36年にわたり務める)
3月8日 宮尾すすむ(タレント。満州出身。右手を右アゴに添えて「……ハイッ!」と叫ぶ決めポーズで一躍有名に)
3月10日 藤子不二雄Ⓐ(漫画家。富山県氷見市出身。代表作は「忍者ハットリくん」「プロゴルファー猿」「笑ゥせぇるすまん」など)
3月22日 大橋巨泉(タレント、放送作家。東京都墨田区出身。テレビ司会者として人気に。参議院議員も務める)
4月15日 田原総一朗(ジャーナリスト。滋賀県彦根市出身。テレビ東京のディレクターとしてキャリアを積み、後にフリージャーナリストに)
4月16日 坂上二郎(コメディアン。鹿児島県鹿児島市出身。お笑いコンビ「コント55号」で人気に。「とびます、とびます」などのギャグでおなじみ)
5月29日 堤義明(実業家。東京都出身。西武鉄道グループの元オーナー。父は西武グループの基礎を築いた堤康次郎)
6月18日 横山光輝(漫画家。兵庫県神戸市出身。代表作は「鉄人28号」「伊賀の影丸」「三国志」など多数)
12月8日 藤村俊二(俳優、タレント。神奈川県鎌倉市出身。あだ名は「おヒョイさん」)
12月28日 石原裕次郎(俳優、歌手。東京都新宿区出身。テレビドラマ「太陽にほえろ!」「西部警察シリーズ」などで有名に。兄は石原慎太郎)