コラム
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自分史の豆知識
【1933年】自分史と関連付けて書きたい1933年の出来事
1933(昭和8)年に生まれた人は、今年(2022年)で89歳を迎えます。
この年の大きな出来事として、日本が国際連盟を脱退したことが挙げられます。そもそも国際連盟は、第一次世界大戦の2年後となる1920年に発足しました。大戦での教訓を踏まえ、世界初の国際平和機構としてスタートしたのです。
発足当初の常任理事国はイギリス、イタリア、フランス、日本の4か国で、その後にドイツ、ソ連も加わります。加盟国自体は発足時から順調に増え、日本の脱退時には約60か国が加盟していました。
当初、日本が常任理事国として選ばれたのはロシア軍に勝利したという実績に加え、紛争が絶えない欧州から距離があるため客観的な調停が行なえるという点が評価されてのことでした。
そんな日本が国際連盟を脱退するきっかけとなったのは、前年の「満州国建国宣言」です。満州国建国に反対する中国が国際連盟に撤回を求めたことを受け、連盟はイギリスのリットン伯爵を団長とした「リットン調査団」を満州に派遣。その調査では日本が満州国を建国する正当性は認められず、最終的な審議で国連は日本軍の満洲撤退勧告案を42対1で可決。日本はこの決定を受け入れることができず、国連から正式に脱退します。そしてこれを機に日本は、徐々に世界から孤立していくことになるのです。
なお、この頃の日本は軍事教育に熱心で、職業軍人を目指す若者が急増します。実際、この年に陸軍少年航空兵の採用が始まると、定員170名に対して9731名の応募(倍率57倍)があったそうです。
〈1933年の新語・流行語〉
・男装の麗人(「婦人公論」に連載されていた小説。女性スパイを描いた作品で大人気に)
・ゴーストップ(信号無視をした陸軍兵士と地元警察官とのトラブルにより生じた事件。軍部の増長が浮き彫りに)
〈1933年の新製品〉
・のらくろグッズ(のらくろ関連の玩具が大人気。なかでも、のらくろのお面が大流行)
・トマトジュース(カゴメが日本で初めてトマトジュースの製造販売に着手)
〈1933年のヒット曲〉
・東京音頭(もともと「丸の内音頭」だったが、この年に改題してレコード化すると爆発的な人気に。ヤクルトスワローズの応援歌としてもおなじみ)
〈1933年に生まれた有名人〉
1月3日 五代目三遊亭圓楽(落語家。東京都台東区出身。演芸番組「笑点」の司会者として有名)
2月18日 オノ・ヨーコ(前衛芸術家、音楽家。東京都出身。後にビートルズのリーダー、ジョン・レノンと結婚)
3月8日 高木ブー(コメディアン、ミュージシャン。東京都豊島区出身。ドリフターズのメンバーとして活躍。ウクレレ奏者という一面も)
4月13日 藤田まこと(俳優、歌手。東京都豊島区出身。「必殺シリーズ」のヒーロー、中村主水役として知られる)
5月15日 伊丹十三(映画監督、俳優。京都府京都市出身。代表作に「マルサの女」「あげまん」「ミンボーの女」など)
8月1日 金田正一(元プロ野球選手。愛知県名古屋市出身。国鉄スワローズと読売ジャイアンツに在籍し、日本プロ野球史上最多の「400勝投手」に。「カネやん」の愛称で知られる)
8月9日 黒柳徹子(女優、タレント。東京都港区出身。1976年に始まった冠番組「徹子の部屋は放送回数1万回を超え、ギネス世界記録に認定された)
8月16日 菅原文太(俳優。宮城県仙台市出身。「仁義なき戦い」シリーズと「トラック野郎」シリーズで人気に)
10月16日 大山のぶ代(女優、声優。東京都渋谷区出身。人気アニメ「ドラえもん」にて、ドラえもんの声を26年間務める)
12月1日 藤子・F・不二雄(漫画家。富山県高岡市出身。代表作は「ドラえもん」「オバケのQ太郎」「キテレツ大百科」「パーマン」「エスパー魔美」など多数)