コラム
COLUMN
自分史の豆知識
【1931年】自分史と関連付けて書きたい1931年の出来事
1931(昭和6)年に生まれた人は、今年(2022年)で91歳を迎えます。
この年に起きた大きな出来事として、「満州事変」が挙げられます。満州事変とは、中国侵略の尖兵となった日本軍(関東軍)が中心となり、中国の北東部広域にあたる満州の利益を狙って事実上の日本の傀儡国家・満州国を建国した事件のこと。もともと日本は1904年の日露戦争勝利で南満州の鉄道利権をロシアより譲り受けていたこともあり、このエリアでのさらなる領地拡大や資源獲得を目指しての建国でした。
そのきっかけとなったのが9月18日、満州鉄道が爆破されたこと(柳条湖事件)。関東軍は、この爆破を中国軍の犯行であるとでっち上げることで、中国侵略の口実としました。そして満州国の建国を機に日本は世界から孤立し、軍事国家への道をひた走ることになるのです。
国内に目を向けてみると、前年からの世界恐慌の影響を受け、失業者数は当時の過去最高となる40万人を突破。さらに冷害・凶作で農家では娘の身売りが急増します。エンタメの世界では日本初の字幕映画、トーキー映画(映像と音声が同期した映画)が上映され、弁士(無声映画で映画の内容を説明する人)や楽士(無声映画の伴奏者)の多くが失業しました。
交通関連ではこの年、羽田飛行場(現:東京国際空港)が開港。移動や物流の手段としてはオート三輪、いわゆる三輪トラックの販売が始まります。なかでも「三輪自動車ダイハツ」が人気でした。
〈1931年の新語・流行語〉
・テクシー(「てくてく歩く」と「タクシー」の造語。不況による倹約ムードから)
・農林1号(国の試験場でできたイネの品種。この年に第1号が生まれた)
・生命線(外交官の松岡洋右が議会で「満州はわが国民の生命線」と発言)
〈1931年のヒット曲〉
・こいのぼり(♪やねよりたかい こいのぼり)
・走れトロイカ(ロシア民謡)
〈1931年に生まれた有名人〉
1月2日 海部俊樹(第76・77代内閣総理大臣。愛知県名古屋市出身。弁論の巧みさに定評)
1月3日 道場六三郎(和食料理人。石川県加賀市出身。人気TV番組「料理の鉄人」にて「和の鉄人」としてレギュラー出演し、一躍有名に)
1月6日 八千草薫(女優。大阪府大阪市出身。宝塚歌劇団を退団後は清純派女優として活躍)
1月28日 小松左京(小説家。大阪府大阪市出身。星新一、筒井康隆と共に「SF御三家」と呼ばれる。代表作は「日本沈没」「首都消失など)
2月16日 高倉健(俳優。福岡県中間市出身。任侠映画で頭角を現す。名台詞は「自分、不器用ですから」)
4月11日 すぎやまこういち(作曲家。東京都台東区出身。フジテレビを経てフリーの作曲家に。人気RPG「ドラゴンクエスト」の作曲でおなじみ)
7月19日 水野晴郎(映画評論家。岡山県出身。金曜ロードショーの解説者として有名に)
11月1日 いかりや長介(コメディアン、俳優。東京都墨田区出身。ドリフターズのリーダーとして活躍。口ぐせは「だめだこりゃ」)
11月29日 勝新太郎(俳優・歌手。東京都江東区出身。役者の傍らプロダクションを設立、映画製作にも携わる)