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自分史の豆知識

2019/05/18

「紙媒体」と「デジタルデータ」、寿命が長いのはどっち?

「紙媒体」と「デジタルデータ」、寿命が長いのはどっち?

「紙媒体」と「デジタルデータ」の寿命はご存じでしょうか。

 

 

前回は映像でつくる自分史制作について触れましたが、未来永劫、残す必要がある「自分史」という性質上、長期保存の観点は不可欠です。そこで今回はデジタルデータと紙媒体、それぞれの寿命について記します。

 

まずは「デジタルデータ」の寿命について。保存状態にもよりますが、般的には数十年と言われています。かなり幅がありますが、100年以上は保存できないという感じでしょうか。DVDに保存したとしても、やはり100年ほどと言われています。しかしDVDが誕生したのが1990年代初頭ですから、それからまだ30年しか経っていません。実際にどれだけ情報を保持できるかというのは、本当のところはまだ誰にも分っていないのが現状です。

 

一方で「紙」の寿命ですが、雑誌や書籍などに用いられる汎用的な中性紙で300~400年。薄くて長い強靭な繊維を持つ「和紙」の寿命は、約1000年と言われています。

 

寿命を単純に比較した場合、紙に軍配が上がることが分かりました。では、デジタルデータを長期保存するにはどうすべきか。答えは、「新しい記録媒体へデータへの移行」です。

例えば、VHSのビデオテープに収められた映像情報をDVDに移し替えるサービスもあります。単純に今はビデオデッキが市場に出回っておらず、ビデオテープの内容が観られないからです。これと同じように、古いフォーマットや媒体のデータを、新しい媒体に変換する必要があるというわけです。これを繰り返すことで、理論的にはデジタルデータを長期保存することは可能です。

 

要するに「紙」媒体はそのままでも最低400年くらいは保持できるが、電子媒体は数十年ごとにデータを移し替えるという必要性が生じるというわけです。これを踏まえると、長期保存することに価値がある「自分史」は、紙で残したほうが後々残っていく可能性が高いと言えます。

 

とはいえ、寿命という観点でいえば紙のほうが優れていますが、だからといって「紙で自分史を作るべき」とは言えません。それぞれに媒体の特性やメリット・デメリットがあるわけですから、それらの特性をしっかり把握したうえでどの手段を選ぶかが大切です。今は紙の情報を簡単にデジタルデータ化できることを考えれば、両方の媒体で残してもいいと思います。

 

 

最後に、自分史を作るにあたって両者の媒体の長所・短所を列挙します。

 

〔デジタルデータの長所〕

・膨大な情報を管理できる

・ネットで情報を即座に共有できる

・データの複製、コピーが容易にできる

・保管スペースが少なくてすむ

・文字情報はもちろん映像、音声データとしても残せる

 ・紙を使わないので環境にやさしい

 

 

〔デジタルデータの短所〕

・パソコンやスマホなどの端末がないと管理、閲覧できない

・データが破損する可能性がある

・容易に複製、改ざんされやすい

・データの互換性がなくなる可能性がある

・紙に比べて劣化しやすい

 

 

〔紙媒体の長所〕

・保存期間が長い

・実体がある、質感がある

・ディスプレイより目に優しい

・持ち運べる

 

 

〔紙媒体の短所〕

・編集が難しい、編集コストが高い

・映像、音声が残せない

・配布に手間と時間がかかる

・速報性に欠ける

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